日帰りで西穂高岳へ

こじ

2022年08月02日 11:39


7月30日土曜日、北アルプスの西穂高岳に登ってきました。

一般的に多いのは、新穂高ロープウェイを利用し、西穂高口駅の登山道から登って西穂山荘で一泊。翌日の朝、西穂高岳山頂を往復して、同じルートでの下山というプランでしょうか。

しかし、そのプランだと1日目の行動時間が短くてなんだか勿体ない気がしてしまう貧乏性な私…。

ロープウェイを利用して日帰り登山も可能なのですが、ロープウェイの始発時間(通常は夏場は8時、時期や曜日によっては7時台始発もあり)を考えると、下山するのが夕方近くなってしまいます。
今回も前回の槍ヶ岳同様、新宿行きの高速バスを利用したかったので、それでは帰りのバスに間に合いません(私のペースでは)。

そこで、登りは上高地からのルートを利用することにしました。
これだと、さわやか信州号の到着は5時15分頃。
新穂高ロープウェイで上がるよりも早く西穂山荘に到着できそうです。
そうすると登山道も空いているし、なんとか14時45分発のバスに間に合いそうかなと。

というわけで、29日金曜日の22時40分東京駅八重洲南口を出発するさわやか信州号でレッツゴー!

バスは順調に走り、予定通り上高地帝国ホテル前に5時過ぎに到着。
終点の上高地バスターミナルの1つ手前の停留所で降ります。
天気は晴れ。

バス停からちょっと歩いたところにあるトイレの前で身支度を整えて歩き始めます。
田代橋を渡ったらすぐに登山道の入り口。
ちょっと霧?がモヤモヤしているけど青空でテンションが上がります





樹林帯の中をテクテク歩き高度を上げていきます。
振り返って下を見ると、雲海っぽくなっていて綺麗でした。



歩くこと2時間ちょいで西穂山荘。
時刻は7時31分。
(ちなみに地図上でのコースタイムは3時間50分となっていますが、色々な方の登山レポでが書かれているように、本当は2時間50分の間違いなのではないかと思います。
ここに着くのが8時過ぎてしまった場合には、焦って急いで登るのではなく、帰りの高速バスを諦めて、普通の定期バスを乗り継いで松本から電車で帰る予定に変更しようと思っていました。)



ロープウェイ組より先の到着なので、空いていて静かな山荘前。
軽くパンを食べ、水分と塩分も補給。
ヘルメットを取り出して歩き出します。
ここからが本日のメイン登山道。

ガイドブック等には山荘から西穂丸山までは観光客の方も多いという情報が書いてありますが、何気にスタートは大きな石がゴロゴロしてるし、その先はガレていて歩きやすいとは言い難い道。
でも時間的にはすぐなので、せっかく山荘まで登ってきたのなら行ってみることをオススメします。

振返ると素晴らしい景色。

山荘方面には活火山の焼岳とその奥は乗鞍岳?



進行方向左側には笠ヶ岳。



丸山は人がたくさんいて混雑していたので写真1枚だけ撮って先へ進みます。



次なるピークは西穂独標。

右側のてっぺんが平なのが独標、左側の三角形なのがピラミッドピークです。。


独標直下が少し急傾斜ですが、捕まるところもたくさんあるし、道筋にはきちんと丸く目印がありルートは分かり易いので安心。
登山者の方でここまでという方もたくさんいらっしゃいます。
ここまでならさほど危険な箇所はなく、ヘルメットなしでも大丈夫かと。
この先へ進む方はヘルメットを被った方が無難だと思います。



独標から次のピラミッドピークはすぐそこ。
その先の山頂方面に雲が増えてきました。
この日の天気予報は15時から雨マーク。
やっぱり崩れてくるんだなぁと思い、雲を気にしながら歩きます。



西穂高岳は独標から山頂まで11のピークがあるそうです。
でも、巻道を歩いて行くので気がつかないピークもあります。

独標は11峰、ピラミッドピークは8峰でした。


振返って独標。



基本的には飛騨側に巻いていくルートが多かったです。
ここは落ちたらヤバいなというところもあれば、落ちたら痛そうだけど命は助かりそうだな、というところが入り乱れています。
まぁでも岩が掴みやすく、足場もしっかりしているのでそこまで心配しなくても良さそうですかね。
ただ、ヤバそうなところはしっかりと緊張感を持って通過するようにしました。

ピラミッドピークから先へ進んでいると、登山道で立ち止まって谷の方に手を振っている男性が。
なんだろう?と思いそちらを見ると、ブロッケン現象が見えました!
私も立ち止まってよく見てみると、虹の中に自分の影が写っています。
おぉ〜すごい!



さて、ブロッケン現象を観察したら次のピークを目指しましょう。

6峰。


次は4峰のチャンピオンピーク。
これかな?



下山中の方が「ここを過ぎたらもう少しですよ〜。頑張ってください。」と声を掛けてくださいました。
こういうちょっとしたやり取りって嬉しいですよね。

登っていると突然目の前の岩場に雷鳥が!
おぉ〜初めて見た!
しばらくぴょこぴょこと私の行手を歩いていましたが、ハイマツの茂みに消えていきました。



4峰のチャンピオンピークを過ぎたらあと一踏ん張り。


次に見えているピークが山頂?と思い、すれ違った下山中の方に「あれが山頂ですか?」と聞いたら「いえ、あれの向こう側です。」と言われて疲労感に襲われましたが、とにかく手足を動かして進みましょうかね。



山頂直下がこの日のルートで一番危なっかしい斜面と言えるでしょうか。
ちょっとツルツルな感じの岩で、ガッツリ握れるようなホールドが少ない感じ。
でも、足を掛けるところも手で掴める岩の裂け目もたくさんあるので、気をつけて登れば大丈夫。

9時43分、西穂高岳山頂に到着です。






この先の奥穂へのルートや槍ヶ岳方面は雲に覆われていていまいち視界が良くありませんでしたが、やっぱり山頂に立ってぐるっと360度見渡すと気持ちがいい!

奥穂方面


山頂から振り返った登山道。
けっこう歩いてきましたね~。


先ほどまでくっきり見えていた焼岳にも雲がもくもくしてきました。
さて、少し休憩したら早めに下山しましょう。


帰りも山荘までは同じルートを戻ります。
だんだんロープウェイで上がってきた登山者が増えてきたので、すれ違いは慎重に。
岩場に慣れていない方もいるので、所々で若干の渋滞もありましたが、2時間弱で山荘まで戻ってくることができました。

土曜日なのでテン場にテントが増えてきました。



それにしてもこの日はいい天気で暑かった!
いつもはこのくらいだと1.5Lも水分があれば足りるのですが、持って行った1.5Lのポカリを飲み干し、500mの水も飲み尽くしたので、下山前に山荘で水分補給。
冷たい水をゴクゴク。
あー美味しい!

山荘が混んでいたので水分補給だけしたら、新穂高ロープウェイ目指して下ります。
コースタイムは1時間くらい。
12時半にはロープウェイ乗場まで行かれそう。
心配だった帰りのバスの時間に余裕で間に合いそうでホッと一安心。

山荘からの登山道は普通に歩きやすい一般的な登山道でした。
けっこう小さい子供も登ってきていましたよ。


12時45分のロープウェイで下界へ。
途中の鍋平高原駅にあるビジターセンターに露天風呂があるそうなので、そちらに立ち寄ることに。
こちらは源泉掛け流しの露天風呂のみで、環境保護のためかシャンプーや石鹸等が使用禁止です。
でも、とにかくさっぱりして着替えたかったので、そういう温泉があるだけでもありがたい!

早めの下山だったからか、女湯は貸し切りでした。
湯船の外に、掛け湯用のお湯がダバダバ出ているところがあり洗面器が置かれていたので、まずはしっかりと汗を流します。
そして温泉にどぼん。
硫黄泉なので、THE・温泉!という匂いがして、それだけで効き目がありそうな感じ(笑)
お湯も熱すぎず緩すぎずちょうど良い湯加減。
温泉にどっぷり浸かり、手足を伸ばしてリラックス。
あぁ気持ちいい
最高~♪



ゆっくり温泉を堪能して着替えたら、もう1本ロープウェイに乗り、一番下の新穂高温泉駅へ。
まだバスまで時間があったので、お土産を買ったり、ビール飲んでラーメン食べたり。


下山後に温泉入ってビールが飲めるとか、もう最高
普段は自分で運転することが多いので、そういうのも嬉しい。
あとは14時45分発の毎日アルペン号に乗れば、新宿西口まで爆睡できます。
バスが出発して間もなく、天気予報通りに雨が降ってきました。



さて、初めての西穂高岳。
岩場が好きなのでいつか登ってみたいと思っていた山。
今回、お天気も良く、無事に登れて大満足でした。
信州山のグレーディングでは一応Dランク(5段階の4)なのですが、ルートに丸印がついていたり、危なそうなところは鎖がかけてあったりするので、そこまで難しくはなかったなと思います。

とはいえ岩稜帯のルートなので、まったく岩登りをやったことがないという方にはお勧めはしません。
ちょっとでも心配だな、怖いなと思う方は無理せずに独標までにしておいた方が無難かと…。

途中でガレているところも多く、浮石もたくさんありますので、そちらも注意が必要です。
落石は他の方に怪我させてしまう恐れがありますので、十分気を付けて歩くことが重要だと思います。

あとは難易度を上げてジャンダルムや大キレット、剱岳とかいろいろ興味はありますが、ちょっとまだ体力・技術ともに不足している感があるので、今後も自分のレベルに見合ったところでコツコツ鍛えていきたいと思います。

あ〜楽しかった!













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